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評論・エッセイ

リゾートの島で二十一世紀最大の課題を知る

 遠い南の海に浮かぶ小さなリゾートの島というものは、僕にとってはたいへんに不思議で奇妙なものだ。これはいったいなになのだろうかと、そのような場所へいくたびに、僕は違和感を楽しむ。グレート・バリア・リーフのなかにあるハミルトンというリゾートの島でも、僕は純度のたいへんに高い違和感を楽しんだ。
 ハミルトン島はそのぜんたいが、いろんなことを楽しみながらゆっくり休暇を過ごすための、リゾートないしはテーマ・パークとして、美しく開発されている。海は素晴らしい。海以外の島の自然も、存分に残っている。スポーツ、娯楽、食事、そして昼寝な…

底本:『ノートブックに誘惑された』角川文庫 1992年

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