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日常からひょいと離れてテントのなかへ

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KY170627_日常からひょいと離れてテントのなかへ

 正面がAフレームになっている、フロント・エントリーのふたり用のテントだ。適当な草地に張ったところを写真に撮るのも普通すぎるので、収納用の袋におさまっている様子を、写真に撮ってみた。テントの全長は8フィート6インチ、そして横幅は、もっとも広いところで5フィート5インチある。正しく張ったとき、内部のもっとも高い部分は、4フィート2インチほどだ。大人ふたりがあぐらをかいてすわっても、ふたりの周囲および頭上には、充分なゆとりがある。

 張るのは、とても簡単だ。長さ55インチのポールを二本、正面両側のスリーヴにさしこむと、これがAフレームの三角形の二辺となる。フロアのグロメットに、左右のポールの先端をとおして地面に立てる。楕円を半分に切ったようなかたちのドアの両下端にもグロメットがあるから、これにスパイクを差しこんで地面に打ちこむと、テントの玄関が出来あがる。

 テントのうしろへまわり、フロアの後部両端をひっぱって正しくテント・フロアをいっぱいに引き広げ、両端にあるグロメットにスパイクをとおし、地面に叩きこんで固定する。テント後部の、高さ12インチの壁の両側にスリーヴがあり、ここにそれぞれポールを差しこむ。この二本のポールによって、テントのリア・ウォールがきれいに立つ。リア・ウォールの上端にも左右それぞれグロメットがあるから、ここにはガイ・ラインをくくりつけ、リア・ウォールがすこし角度を保って立つ程度にガイ・ラインをひっぱり、スパイクで固定する。

 ここまでくると、ほぼ完成だ。テントの両サイドのフロアに、グロメットのついたタブが出ているから、これをスパイクで地面に止める。サイド・ウォールの上部には、フロア・グロメットとおなじ位置にガイ・ラインをとりつけるループがある。ここにガイ・ラインをつけ、ほどよく引っぱり、地面にスパイクで止める。以上で、出来あがりだ。

 外から見ているよりも、内部ははるかに広い。フロアはバス・タブ式と一般に呼ばれている構造であり、屋根の一部は外のすけて見えるネットのような布で出来ている。テントのなかの空間は、日常からさほど無理することなくひょいと離れた、もうひとつの場所だ。

(底本:『彼らと愉快に過ごす──僕の好きな道具について』小学館 一九八七年)

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1987年 『彼らと愉快に過ごす──僕の好きな道具について』 アウトドア 道具
2017年6月27日 00:00
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