VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

ぼくはなぜブローティガンをいちどにぜんぶ読まないか

 丹後半島で白い灯台を見たあと汽車を乗りつぎ、最終的には新幹線で東京へ帰ってきた。
 6月の東京は、薄曇りだった。いっしょうけんめいに歩くと暑そうだが、いっしょうけんめいでなければ快適な気温のようだったから、ぼくはいっしょうけんめいではなく歩いた。大きなビルディングのエレヴェーターに乗り、書店へ入った。書店のなかは冷房がきいていた。本を、1冊だけ、買った。リチャード・ブローティガンの『ザ・トウキョウ・モンタナ・エクスプレス』という本だ。1600円だった。カバーをかけてくれようとするのをことわり、その本を1冊だけ持ってエレ…

このエントリーをはてなブックマークに追加