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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

オカズヤのオイナリサン

 稲荷ずしは子供の頃からよく知っている。好きな食べ物のひとつだ。スティームド・ライスを食する方法として、たいそう好ましいではないか。しかし、子供の頃からずっと、出来不出来はあるにしても、稲荷ずしはどれもみな稲荷ずしでしかない、と僕は思っていたようだ。そして一九六八年のマウイ島ラハイナで、僕はこの考えを決定的にあらためることとなった。
 僕にとってのハワイは、祖父そして父親へとつながる、日系の人たちのハワイだ。彼らはハワイにおける日系市民の当事者だったが、そのすぐかたわらにいたとは言え、僕は当事者ではない。しかしハワイの日…

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