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評論・エッセイ

『スローなブギにしてくれ』

 角川文庫から出た僕の作品の、最初から数えて四作めに、『スローなブギにしてくれ』というのがある。一九七九年に文庫で出た。それ以前に『野性時代』に書いた五つの短編が収録してある。表題作はそのうちのひとつだ。まず最初にこれも単行本で出た。一九七六年あたりではないだろうか。『野性時代』に書いたのは、そのさらに一年前、おそらく一九七五年のことだ。
『スローなブギにしてくれ』は、コミックスを言葉で書いた試みだ。この頃、そのような試みを、いくつかの短編で僕はおこなった。小説を書くための模索の経路のひとつだった、と言っておこう。仮にそ…

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