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記号を頼りに旅をはじめる

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 ランド・マクナリーの道路地図だ。アメリカ合衆国を自動車で旅行するとき、この地図は欠かせない。旅行するたびに、あるいは、新しい版が出るたびに買っているから、すでに何十冊もたまっている。

 人間が作ったハイウェイや町なども含めて、現実に存在する地理的条件の主だった様子をひとつずつ記号に置きかえ、紙という二次元の上にあらわしたもの、それが地図だ。地図の記号的な性格は、ランド・マクナリーのロード・マップでは特別に顕著だと、ぼくは思っている。ロード・マップの上に記されている記号を頼りに旅をはじめると、やがてその記号に対応する現実が、次々に目のまえにあらわれてくる。この記号にはこのような現実が対応するのかと、ひとつずつ驚きながら、旅は進んでいく。

 ロード・マップのなかの記号と、それに対応する現実とを、出来ることならすべて対照させてみたいのだが、アメリカ合衆国はとにかく広い。あの広さと複雑さとを理解するための手がかりとなる記号が、このロード・マップにはぎっしりとつまっている。

(2017年2月23日掲載、『彼らと愉快に過ごすー僕の好きな道具について』1987年所収))

今日の一冊|ジョージア州では桃が熟れるころ

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どこへでも行ける青年、 どこへでも行かせるアメリカ。

タグで読む03▼|片岡義男の書いたアメリカ

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1987年 『彼らと愉快に過ごす──僕の好きな道具について』 アメリカ ハイウェイ 地図 自動車 道路
2017年2月23日 05:30
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