我々の責任の自覚を高める

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●6/19〜6/25

 課題文の日本語では、「高める」という動詞がいちばんうしろにある。だからその動詞にたどりつくまでは、状況や文脈で察しはつくとしても、なにがどうなるのか、正確にはなにもわからない。我々の責任の自覚を放棄する、ということだってあり得る。

 自分がとるべきアクションにかかわる言葉が、自分にとってもっとも切実に作用するのであれば、ぜんたいにとっての核となる「高める」という動詞が最後になってやっとあらわれるのは、その動詞が担うべき切実さを、なにほどかは削いでしまうことになるのではないか。

 英語の言いかただと、raiseという要の部分の動詞が、問答無用で冒頭にある。「高める」という重要な意味が、センテンスの先端に、さながら矢じりのようにある。そのセンテンスを受けとめる人に、raiseという動詞は、まっ先に突き刺さる。

 日本語で「高める」を冒頭に持ってくるためには、高めるべきは我々責任の自覚でありまして、というような言いかたをしなくてはいけない。動詞が最後にあると、内容は一般論になりやすいようだ。

片岡義男の Answer :to raise awareness of our responsibility

(毎週月曜更新|『英語で言うとはこういうこと』角川oneテーマ21、2003年所収)

 


2017年6月19日 00:00