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評論・エッセイ

[クレール・フォンテーヌのノートブック]

 クレール・フォンテーヌのノートブック、そしてパッド類は、ロディアと地続きだ。おなじフランスのものというだけではなく、クレール・フォンテーヌにおいてもまた、思考のかたちや論理の筋道の作りかたが、それをひとまず文字で紙の表面に固定しては試行錯誤していくにあたって、紙の面積のありかたを規定しているように、僕には思われるからだ。
 いま東京で手に入るクレール・フォンテーヌを僕は材料にしているから、不足は確かにあるだろう。日本にはなぜか最初から入ってこないもの、あるいは、なぜか日本では売れ行きがかんばしくなく、したがって輸入され…

底本:『文房具を買いに』角川文庫 2010年
『文房具を買いに』東京書籍 2003年所収

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