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【特集】プレイボール

【特集】プレイボール

2022年11月4日 00:10

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 ジョン・シュナイダーによる異形の本『プレイボール』は、1991年にアメリカで発行、日本では片岡義男の訳で1997年、ベースボールマガジン社から発行されました。アメリカのメジャーリーグにおける様々な名記録・珍記録を、それを成し遂げた選手を軸に書かれたものです。アメリカの球場の書店で偶然この本を見掛けたという片岡義男はこれを買い求め、自ら翻訳を手がけました。
 10月8日(現地時間7日)から始まるメジャーリーグのポストシーズンに合わせ、この作品を特別公開いたします。

『PlayBall』

◆解説 『プレイボール』に寄せて

第5回「MLB、来季に向けての注目ポイント」

 いよいよ、この連載も最終回になります。
 MLBもワールドシリーズが開幕し、ヒューストン・アストロズとフィラデルフィア・フィリーズが今年のワールドチャンピオンをかけて熱戦を繰り広げています。この原稿を書いている時点では、フィリーズが第3戦において7対0で大勝。シリーズ最多タイの5本塁打も飛び出し、対戦成績を2勝1敗としました。この記事を皆さんが読まれる頃には、今年のチャンピオンチームが決定しているかもしれません。

 その一方で、どちらのチームのファンでもない方は、来年に向けた自分の贔屓チームの補強について興味が移っていると思います。
 MLBは、日本のプロ野球に比べてはるかに選手の移籍が活発です。毎年MLBを代表する選手がFA権を行使して、自分をより評価してくれるチームに移籍をします。「自分を育ててくれたチームだから」といった情は、一切抜きでバンバン移籍をしていきます。

 ちなみに今年の注目は、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジです。ジャッジは大谷翔平と今年のMVPを争っていて、今季62本の本塁打を放ち、ア・リーグのシーズン本塁打記録を更新した後のFAになります。ヤンキースの中心選手としてチームの勝利に多大な貢献をする中で、球史に残る偉大な成績を叩き出したことで、今オフ最も注目されるMLBのFA対象選手の一人です。

 このほかにも今まさにワールドチャンピオンをかけて戦っている、アストロズのエースのバーランダーや、MLBで現状No.1右腕と呼ばれるニューヨーク・メッツのデグロームなど超一流選手がFAになると言われています。

 そして、大谷翔平もエンジェルスから移籍の可能性があります。大谷は、エンジェルスとの契約を先日1年延長しましたが、トレードによる移籍の可能性は捨て切れません。このままいけば、来季のオフにFAになる大谷ですが、FAで移籍をされてしまうと、見返りの薄い移籍になります。しかし、大谷の市場価値が高い段階でトレード移籍させることができれば、トレードの相手チームから数年後にチームの柱になるような有望な選手を獲得できる可能性が出てきます。そして、大谷ほどの選手であれば、見返りも大きくなるのは間違いないでしょう。と、なると大谷の市場価値が高い今オフにトレード移籍はありえなくもない話です。

 このようにMLBは、シーズンが終わっても移籍が活発なので、オフも楽しめるというのも特徴でしょう。誰がどのチームに移籍するのかを注目して見ていけば、来シーズンの開幕までもシーズン中に勝るとも劣らない楽しみ方ができます。ぜひMLBの選手の移籍にも注目いただければと思います。

 そして今シーズンもあらゆる記録が達成されたわけですが、来シーズン達成されそうな記録もあります。『プレイボール』の中から来シーズン更新されるかもしれない記録をピックアップしてみましょう。

【来シーズン更新されるかもしれない記録と選手】

・ジョージ・ベル
開幕戦で本塁打を3本打った唯一のプレーヤー。
※ベルの達成以後、カール・ローズ、ドミトリー・ヤング、マット・デービッドソンの3人がこの記録を達成している。
『プレイボール』①に収録)

・アレキサンダー・ガードナー
24連勝した唯一の投手。

・カール・ハッベル
開幕戦で本塁打を3本打った唯一のプレーヤー。
(以上、『プレイボール』②に収録)

・ボブ・ニーマン
メジャーに入って最初の2打席がホームランだった唯一のプレーヤー

・ハンク・セヴァレイド
2日続けてのノーヒット試合で、いずれもマスクをかぶった唯一のプレーヤー
(以上、『プレイボール』③に収録)

・アート・シャムスキー
途中から出場した試合でホームランを3本打った唯一のプレーヤー

・アーニー・ショア
先発ではなかったのに、パーフェクト・ゲームを達成した唯一の投手

・ディーン・ストーン
打者をひとりも打ち取ることなしに、オールスター・ゲームに勝った唯一の投手
(以上、『プレイボール』④に収録)

なお、以上の記録は、『PLAY BALL』(1991)に記載されている情報を元に掲載されています。記録の更新が確認できたものについては追記を入れてあります。佐藤ゆうき これまでの解説はこちらから

◆解説者紹介

さとう・ゆうき

コピーライター&メタバース空間の大工。高校生の時にヤンキー・スタジアムを訪れてからMLBの大ファン。野球に興味がない友達をことあるごとにヤンキー・スタジアムに連れて行き、MLBファンに変えてきた。データの活用の仕方や選手のトレード戦略などMLBの球団経営というビジネス的な面にも興味を持つ。スポーツという側面だけでなく、経営という面からもMLBに注目して見ている。

◆最新刊(2022/11/4公開)

『プレイボール』第5回に登場する選手の中から、プレーオフ関連の記録を持つ選手をご紹介します。

■ボビー・リチャードソン

ワールド・シリーズで1試合6打点をあげた唯一のプレーヤー。
※先に挙げたようにワールド・シリーズで6打点を上げたのは、リチャードソンの他に松井秀喜、アルバート・プホルス、アディソン・ラッセルと合計4人になっている。今年のワールド・シリーズでもしかしたら、ヒューストン・アストロズのカイル・タッカーが初戦で4打点を叩き出し、更新しそうな勢いで打っているので、記録更新に注目。

■ビル・ワンブスガンス

ワールド・シリーズで補殺なしのトリプルプレーを完成させた唯一のプレーヤー。
1920年に同記録を達成し、ワールド・シリーズ制覇に貢献した。

■ロン・ウォーニーク

ワールド・シリーズとオールスターの両方に、プレーヤーとして審判として出場した体験を持つ唯一の人。大谷翔平もびっくりの異色の二刀流選手。さらに生涯成績も優秀で、193勝121敗で防御率は3.18だった。