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片岡義男.com 全著作電子化計画

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書評

独特の視点から贈り出された文芸書評の数々。多くの編集者が片岡義男に紹介文を依頼したのかが分かるだろう

作品一覧

公開作品 115

彼は二十一歳、ヘア・クリームでなでつけたDAは栗色に輝いていた

彼は二十一歳、ヘア・クリームでなでつけたDAは栗色に輝いていた

 エルヴィス・プレスリーのファンにとって、『エルヴィス’56』という写真集は、もっとも貴重な本ではな…

『タランチュラ』あとがき

『タランチュラ』あとがき

 ボブ・ディランの『タランチュラ』は、難解である、とよく言われているが、けっしてそのようなことはない…

言葉のなかだけにある日本をさまよう

言葉のなかだけにある日本をさまよう

 オールタイム、という日本語を文字どおりに解釈するなら、文庫のオールタイム・ベスト10など、とうてい…

「ザ・コンプリート ピーナッツ」

「ザ・コンプリート ピーナッツ」

 チャールズ・M・シュルツがその生涯にわたって描き続けた『ピーナッツ』という新聞連載漫画の、コンプリ…

ふたとおりの恐怖がやがてひとつになる

ふたとおりの恐怖がやがてひとつになる

〈書評〉東京大空襲・戦災資料センター監修 山辺昌彦・井上祐子編『東京復興写真集 …

知らなかった東京が浮かび出てくる

知らなかった東京が浮かび出てくる

〈書評〉佐藤洋一著『米軍が見た東京1945秋  終わりの風景、はじまりの風景』…

姿を隠したままの存在に気づこう

姿を隠したままの存在に気づこう

〈書評〉朝日新聞出版編『復刻アサヒグラフ昭和二十年  日本の一番長い年』 …

戦争は、写真うつりがいい

戦争は、写真うつりがいい

『アメリカ海軍の戦争写真』というタイトルの写真集を、僕はいま見ている。《真珠湾から東京湾まで》と、サ…

英文字は急速に日本語になりつつある

英文字は急速に日本語になりつつある

〈書評〉キャサリン・A・クラフト著 里中哲彦編訳『日本人の9割が知らない英語の常…

モカを飲んだらその歴史も知ろう

モカを飲んだらその歴史も知ろう

〈書評〉旦部幸博著『珈琲の世界史』  日が少しだけ長くなった冬の午後のひと…

消えた東京はゼニ・カネのために消えた

消えた東京はゼニ・カネのために消えた

〈書評〉富岡畦草、富岡三智子、鵜澤碧美著『変貌する都市の記録』  写真に撮…

食事も酒も論理でつながれている

食事も酒も論理でつながれている

〈書評〉石田千著『箸もてば』  題名の『箸もてば』とは、自分で作った食事を…

人生を自分で考えるための材料集

人生を自分で考えるための材料集

〈書評〉竹信三恵子著『正社員消滅』  当時の私は「正社員」ではなく、ただの…

バブルは消えたのか、目の前にあるのか

バブルは消えたのか、目の前にあるのか

〈書評〉永野健二著『バブル 日本迷走の原点 1980—1989』  日本に…

映画には「消えた東京」が残っている

映画には「消えた東京」が残っている

〈書評〉宮崎祐治著『東京映画地図』  ひとりの読者として見当をつけるなら、…

読まなくても本質に触れた気持ち

読まなくても本質に触れた気持ち

〈書評〉岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美著『「罪と罰」を読まない』 …

巨匠と名優の軌跡の合流を読む幸せ

巨匠と名優の軌跡の合流を読む幸せ

〈書評〉グレン・フランクル著 高見浩訳『捜索者  西部劇の金字塔とアメリカ神話…

自己啓発本が前提としているもの

自己啓発本が前提としているもの

〈書評〉牧野智和著『日常に侵入する自己啓発  生き方・手帳術・片づけ』 …

ポテトでアメリカ文化が手に入る幸福

ポテトでアメリカ文化が手に入る幸福

〈書評〉マーナ・デイヴィス著 伊丹十三訳『ポテト・ブック』復刊版  ポテト…

報道だからこそいまも魅力を失っていない

報道だからこそいまも魅力を失っていない

〈書評〉木村伊兵衛著『木村伊兵衛のパリ ポケット版』  パリのパリらしさを…

一万年前から続く猫と人間の関係を喜ぶ

一万年前から続く猫と人間の関係を喜ぶ

〈書評〉山根明弘著『ねこの秘密』 「実は、ねこという動物は、人類が誕生した…

もはや社会そのものが機能しなくなるのか

もはや社会そのものが機能しなくなるのか

〈書評〉スーザン・ジョージ著 荒井雅子訳『金持ちが確実に世界を支配する方法』 …

名曲を生み出したスリルに満ちた共同作業

名曲を生み出したスリルに満ちた共同作業

〈書評〉佐藤剛著『「黄昏のビギン」の物語』 『黄昏のビギン』という歌謡曲は…

遺構の下には歴史の論理が埋まっている

遺構の下には歴史の論理が埋まっている

〈書評〉丸田祥三 写真と文『東京幻風景』 『東京幻風景』という題名のなかに…

江戸人にみる虚構の楽しみかたの極意

江戸人にみる虚構の楽しみかたの極意

〈書評〉アダム・カバット著『江戸の化物 草双紙の人気者たち』  雨のそぼ降…

まことの人生の喜怒哀楽はどこへ消えた?

まことの人生の喜怒哀楽はどこへ消えた?

〈書評〉小沢昭一著『写真集 昭和の肖像〈町〉』 「写真館の息子・小沢昭一が…

三角形は不思議で美しく、そして怖い

三角形は不思議で美しく、そして怖い

〈書評〉細矢治夫著『三角形の七不思議』  僕がまだ学童だった頃、支給された…

大問題を語り合えない日本語の閉塞感

大問題を語り合えない日本語の閉塞感

〈書評〉滝浦真人著『日本語は親しさを伝えられるか』  日本の人たちに深く浸…

一九六七年の風景に淡い思い出が甦る

一九六七年の風景に淡い思い出が甦る

〈書評〉加藤嶺夫著『加藤嶺夫写真全集 昭和の東京1 新宿区』  この本に収…

均衡を失う日本を考えるための定点

均衡を失う日本を考えるための定点

〈書評〉パール・バック著、丸田浩監修、小林政子訳『私の見た日本人』  パー…

十年に一度の面白さと言っておこう

十年に一度の面白さと言っておこう

〈書評〉マイク・モラスキー著『呑めば、都 居酒屋の東京』  日本の国立大学…

漱石文学の“会話”の深さに驚嘆する

漱石文学の“会話”の深さに驚嘆する

〈書評〉小林千草著『「明暗」夫婦の言語力学』 『坊っちゃん』は子供の頃に読…

塩田も遊園地も…絶滅の景色が浮かぶ

塩田も遊園地も…絶滅の景色が浮かぶ

〈書評〉今尾恵介著『地図で読む昭和の日本』  明治時代の終わり近くに整備が…

眠れる東京の坂や谷が目覚める

眠れる東京の坂や谷が目覚める

〈書評〉大竹昭子著『日和下駄とスニーカー 東京今昔凸凹散歩』  僕は東京の…

自己都合の神などそもそも居場所はない

自己都合の神などそもそも居場所はない

〈書評〉土井健司著『キリスト教は戦争好きか キリスト教的思考入門』  人と…

いま日本語は“既知の壁”に囲まれている

いま日本語は“既知の壁”に囲まれている

〈書評〉坪内雄藏著『國語讀本 尋常小學校用』  国語が日本国家によって教科…

飛田の絶望感、これは日本そのものの物語だ

飛田の絶望感、これは日本そのものの物語だ

〈書評〉井上理津子著『さいごの色街 飛田』  飛(とび)田(た)は大阪市の…

春まだ浅く、三冊の本を買った夕方

春まだ浅く、三冊の本を買った夕方

 今年の春がまだ浅かった頃、平日の夕方、僕はその大きな書店に三階から入った。奥のエスカレーターでいつ…

故国を探した作家の失望の旅とは

故国を探した作家の失望の旅とは

 ジョン・スタインベックというアメリカの作家は、一九〇二年にカリフォルニア州のサリーナスに生まれた。…

自動車泥棒のビューイック・リヴィエラ

自動車泥棒のビューイック・リヴィエラ

 写真のなかで左から二番目にある『自動車泥棒』という小説は、シャーウッド・アンダスンの『オハイオ州ワ…

ヴァージル・ティブス・シリーズ

ヴァージル・ティブス・シリーズ

 ジョン・ボールというアメリカの作家の、カリフォルニア州パサディナの黒人刑事、ヴァージル・ティブスを…

ペイパーバックの中のトルーマン・カポーティ

ペイパーバックの中のトルーマン・カポーティ

 トルーマン・カポーティの小説『ティファニーで朝食を』を、いま頃になってようやく僕は読んだ。長編小説…

父親と息子のハードボイルド人生

父親と息子のハードボイルド人生

 スティーヴン・ハンターのペイパーバックが八冊、今回の写真のなかにある。アール・スワガーという男性と…

あの映画をもう一度観たい、その1

あの映画をもう一度観たい、その1

 イギリスとスイスとの合作映画『ワイルド・ギース』が制作されたのは一九七八年だった。そしてその年に日…

金色の瞳に映るものはなにか

金色の瞳に映るものはなにか

 バンタム・ブックスというペイパーバックの叢書で刊行された、カーソン・マッカラーズの『金色の瞳に映る…

短編小説はどうなっているのか

短編小説はどうなっているのか

 O・ヘンリーというアメリカの作家は、かつては日本ですら知らない人はいなかったほどに、著名な存在だっ…

ジャック・リーチャーを十一冊、積み上げてみる

ジャック・リーチャーを十一冊、積み上げてみる

 リー・チャイルドの作品を十一冊、記念写真に撮ってみた。どれもすべてジャック・リーチャーという男性を…

LAノワールの闇を歩こう

LAノワールの闇を歩こう

 僕が持っているペイパーバックの山はいくつかに分かれている。そのうちのひとつはミステリーだ。密室殺人…

うちの山にいた五人の私立探偵

うちの山にいた五人の私立探偵

 五冊あるペイパーバックのどれもが、私立探偵を主人公にしている。私立探偵が一人称で語る物語を、ふと読…

この世の終わりを見続ける

この世の終わりを見続ける

 コーマック・マッカーシーの小説を三冊、続けて読んだ。写真のなかでいちばん左にあるのが、処女作だとい…

女たちの描く「女」が怖い

女たちの描く「女」が怖い

 いちばん左にあるのを僕は二〇〇七年の夏に読んだ。まんなかのを秋口に、そして右側にあるのは、冬になっ…

うかつに紀行文を書かないように

うかつに紀行文を書かないように

 一九一五年のアメリカで、『ザ・ベスト・アメリカン・ショート・ストーリーズ』という題名の短篇集が刊行…

「ザ・ルーキー」

「ザ・ルーキー」

 ジム・モリスは幼い頃からボール遊びが好きだった。ピンポンの球からバスケット・ボールまで、ボールなら…

一九六二年、ボストンの怪事件

一九六二年、ボストンの怪事件

 第一回の殺人は一九六二年の六月に起きた。ボストンの小さなアパートメントの自室で五十五歳の女性が絞殺…

アメリカン・ノワールの傑作

アメリカン・ノワールの傑作

 前回の僕は写真について説明していない。本文とは関係のない、飾りとしての写真だったが、いちおう説明し…

もっともハードなハードボイルドとは

もっともハードなハードボイルドとは

 ダン・J・マーロウという作家の最初の長篇『死を賭けて』と、その続編である『ワン・エンドレス・アワー…

ひき続きダン・J・マーロウを読む

ひき続きダン・J・マーロウを読む

 今回はまず写真について説明しておこう。横にならんでいる三冊のペーパーバックのうち左端にあるのは、僕…

「ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス」②

「ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス」②

『ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス』と、片仮名をいくつも続けて書くのはつらいので、意をとった…

「ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス」

「ザ・ネーム・オヴ・ザ・ゲーム・イズ・デス」

 昨年のいつだったか、『コロラド・キッド』というミステリーのペーパーバックを買った。作者はスティーヴ…

「イン・コールド・ブラッド」

「イン・コールド・ブラッド」

トゥルーマン・カポーティに関して僕は晩生(おくて)だった。二十歳のときに『ア・クリスマス・メモリー』…

「グレーテスト・ヒッツ」

「グレーテスト・ヒッツ」

 昨年の夏、真夏日の夕方、僕はひとりで新宿を歩いていた。新宿駅の南口から道を渡り、サザン・デッキとか…

「フラッグス オブ アワファーザーズ」

「フラッグス オブ アワファーザーズ」

 日本軍の守備隊が守る硫黄島を奪取するため、グリーン・ビーチと自ら名づけた海岸にアメリカの海兵隊が上…

「ベイト・アンド・スイッチ」

「ベイト・アンド・スイッチ」

 この連載の第三回目で、バーバラ・エイレンライキの『ニッケル・アンド・ダイムド』というノン・フィクシ…

「フオー・ラブ・オブ・ザ・ゲーム」

「フオー・ラブ・オブ・ザ・ゲーム」

 マイケル・シャアーラのこの小説の書評がかつて『ロサンジェルス・タイムズ』に掲載された。その書評のな…

「リーヴィング・ホーム」

「リーヴィング・ホーム」

 タイトルのリーヴィング・ホームは、直訳的な理解だと、家を去る、という意味だが、このアニタ・ブルック…

「ワンス・アポナ・タウン」

「ワンス・アポナ・タウン」

『ワンス・アポナ・タウン』というノン・フィクションは、二〇〇二年に刊行されたボブ・グリーンの作品だ。…

「ファン」

「ファン」

 ニューイングランドの小さな町に住んでそこを根拠地点とし、近隣一帯を自分の営業担当範囲に持って、ナイ…

「ヨコタ・オフィサーズ・クラブ」

「ヨコタ・オフィサーズ・クラブ」

 アメリカの軍事力を、攻撃力のきわめて高い数多くの基地という、もっとも端的なかたちで国内に持ちながら…

「ニッケル・アンド・ダイムド」

「ニッケル・アンド・ダイムド」

 題名のなかにある「ニッケル・アンド・ダイム」という言葉は、文字どおりには五セントそして十セントの硬…

「アンコモン・プレイセズ ザ・コンプリート・ワークス」

「アンコモン・プレイセズ ザ・コンプリート・ワークス」

 スティーヴン・ショアというアメリカの写真家について僕が初めて知ったのは、一九八二年版の『アンコモン…

蒼くはない時にむかって

蒼くはない時にむかって

『百恵』というタイトルの大きな写真集を、友人がただでくれた。この写真集について、みじかい文章を書いて…

あらゆる自然に背をむけ、人工の二次元を人は言葉だけで生きていく

あらゆる自然に背をむけ、人工の二次元を人は言葉だけで生きていく

 おなじ日の午後、僕たちは町のはずれのコーヒー・ショップにいた。奥行きのあるその店のいちばん奥まで入…

ヴァーガス・ガールという、架空の女性たち

ヴァーガス・ガールという、架空の女性たち

 ヴァーガス・ガールという、架空の美しい女性について書くことにしよう。  ヴァーガスは、VARGA…

スーザンが育った時代

スーザンが育った時代

1  南ダコタ、ネブラスカ、アイオワ、イリノイと続くコーン・ベルトのまんなかに、アイオワ州がある。…

ロミオはジュリエットに誠実に。そして誰もが、それぞれの夏を越えていく

ロミオはジュリエットに誠実に。そして誰もが、それぞれの夏を越えていく

 彼女との待ち合わせの町に、僕は午前中に到着した。ホテルに、彼女から電話がかかってきた。待ち合わせ場…

せっかく季節が夏なのだから、タイトルに夏のある小説を読んでみよう、と僕は思った

せっかく季節が夏なのだから、タイトルに夏のある小説を読んでみよう、と僕は思った

 ある年の夏、僕はふと妙なことを思いついた。せっかく季節が夏なのだから、タイトルに夏という言葉が使っ…

LAでは笑うしかない、というLA的な態度

LAでは笑うしかない、というLA的な態度

『アウトレイジャス LA』というタイトルの写真集におさめてある百点のカラー写真を、ひとつひとつ、じっ…

モノクロームはニューヨークの実力

モノクロームはニューヨークの実力

 アンドリアス・フェイニンガーが自ら編集した写真集『一九四〇年代のニューヨーク』は、ぼくにとっては一…

夏だ。トンボが飛んでいく。十字架はついに地上から解き放たれる

夏だ。トンボが飛んでいく。十字架はついに地上から解き放たれる

『ワン・サマー・ラヴ』〔One Summer Love(1976),N.Richard Nash,B…

紙のプールで泳ぐ

紙のプールで泳ぐ

 プールというものは、普通、そのなかに満たしてある水のなかで泳ぐためにある。プールで泳ぐといろんなふ…

少年の頃、写真家は、夏の日を見ていた

少年の頃、写真家は、夏の日を見ていた

 ジョエル・マイエロヴィッツの新しい写真集を手に入れた。『夏の日』というタイトルの写真集だ。『夏の日…

一九五一年のアメリカの小説

一九五一年のアメリカの小説

 ある雨の日の夕方、ぼくは都心のホテルにいた。ホテルを出るとき、一階のロビーの奥にあるブック・ショッ…

移動、という行為を開始することによって、人生の全責任を彼女は自分ひとりで引き受ける

移動、という行為を開始することによって、人生の全責任を彼女は自分ひとりで引き受ける

 ホテルへ戻り、コーヒー・ショップのいちばん奥の、しかも片隅の席で話を続けようか、と僕が言った。ホテ…

日常的な時間の停止した時空間。そのなかで自分を切り開き、なかにあるものを正直に直視する

日常的な時間の停止した時空間。そのなかで自分を切り開き、なかにあるものを正直に直視する

 バーバラ・ラスキンの『ホット・フラッシェズ』という長編小説は、『ニューヨーク・タイムズ』のベストセ…

髪や肌の色がちがえば、性的エネルギーのありかたも大きく異なってくる、という物語

髪や肌の色がちがえば、性的エネルギーのありかたも大きく異なってくる、という物語

『シンデレラ・リバティ』そして『さらば、冬のカモメ』という映画を記憶しているだろうか。どちらも、僕は…

愛と栄光のための戦い

愛と栄光のための戦い

 ロバート・B・パーカーの『愛と栄光』(邦訳はハヤカワ文庫『愛と名誉のために』)という小説をぼくは面…

カウボーイ・カントリーを夢に見ながら

カウボーイ・カントリーを夢に見ながら

 人は一生のあいだにいろんな場所を体験する。生まれ育ったところ以外の場所は、旅行で体験することが多い…

エドワード・ホッパーが描いたアメリカの光

エドワード・ホッパーが描いたアメリカの光

 エドワード・ホッパーの画集が欲しいと、もう何年もまえから、ぼくは思っていた。ペーパー・バウンドの小…

人生とはなになのか。よく慣れ親しんだ世界。もっとも重要なのはおそらくこれだ

人生とはなになのか。よく慣れ親しんだ世界。もっとも重要なのはおそらくこれだ

 マリアンヌ・ジンガーの『ボビー・レックス最大のヒット』という長編小説は、読んでよかったと心から思う…

他人の虹の端に向かって

他人の虹の端に向かって

 虹が空に出る。消えてしまわないうちにその虹の一端までいく。虹が地面のすぐ近くから出ていたなら、その…

彼女は『ラスト・ショー』の町に生きる

彼女は『ラスト・ショー』の町に生きる

『ラスト・ショー』という映画があったのを覚えているだろうか。ピーター・ボグダノヴィッチ監督がつくった…

猛烈に仕事をする人たちの国、アメリカと、父親を描いた数多くの小説

猛烈に仕事をする人たちの国、アメリカと、父親を描いた数多くの小説

 アメリカの小説に関してとりとめなく考えをめぐらせていたら、ひとつのアイディアが浮かんだ。アメリカの…

素敵な女性作家たち

素敵な女性作家たち

■このジャンルの本ならいつでも読みたい、というような領域はありますか。お勧め、というか、この領域のな…

アメリカらしさの核心のひとつを体現している人の人物像を、完璧に近い傑作小説で読むという感動

アメリカらしさの核心のひとつを体現している人の人物像を、完璧に近い傑作小説で読むという感動

 トーマス・コッブという作家の最初の長編、『クレイジー・ハート』は、たいへんな傑作だ。カントリー・ア…

一人称による過去形。しかし世界はいつのまにか現在。日系四世の女性の浮世。アメリカン・ドリームの外縁のいちばん外に近いあたり

一人称による過去形。しかし世界はいつのまにか現在。日系四世の女性の浮世。アメリカン・ドリームの外縁のいちばん外に近いあたり

 シンシア・カドハタの小説、『ザ・フローティング・ワールド』のタイトルは、浮いている世のなか、つまり…

京都の四季を英語で三行詩に

京都の四季を英語で三行詩に

『キョート・ドゥエリング』は、京都に二十五年にわたって住んでいる、イーデス・シファートというアメリカ…

個人的な絵葉書における、写真と民主主義の関係

個人的な絵葉書における、写真と民主主義の関係

『燃える大平原と紙でつくった月』のような本は、たっぷりと時間があるときには、ほんとにいいものだ。この…

しかし、アメリカには、貧乏もよく似合う

しかし、アメリカには、貧乏もよく似合う

 いま世界でいちばん豊かな国はアメリカだと、多くの人が思っている。いちばん強くて、いちばん豊かで、あ…

ブックストアでのめぐり逢い

ブックストアでのめぐり逢い

ー面白い本を夢中で読んでいくときの、その楽しさや面白さのもっとも中心になるものは、なにだと思いますか…

リチャード・ブローティガンは、主人公のユキコさんを最初から最後まで眠ったままにしておいた

リチャード・ブローティガンは、主人公のユキコさんを最初から最後まで眠ったままにしておいた

 リチャード・ブローティガンの『ソンブレロ・フォールアウト』(邦訳は晶文社『ソンブレロ落下す』)には…

アメリカの青年が書いた、東京の外資系会社の一年間。彼はカワシマ・キヨコをどこでみつけたのか

アメリカの青年が書いた、東京の外資系会社の一年間。彼はカワシマ・キヨコをどこでみつけたのか

 ジョン・バーナム・シュワルツの小説『自転車の日々』は、バスではじまりバスで終わっている。東部の大学…

フラストレーションという負のエネルギーは、マイナスのものばかりを呼び集める。そして最後に小さな悲劇として結晶する

フラストレーションという負のエネルギーは、マイナスのものばかりを呼び集める。そして最後に小さな悲劇として結晶する

 二、三年前の夏、日本がいちばん暑いころ、僕はラッセル・バンクスの『コンティネンタル・ドリフト』(邦…

イングリッド・バーグマンの写真集を逆に見ながら

イングリッド・バーグマンの写真集を逆に見ながら

 イングリッド・バーグマンの写真集を、かなり時間をかけていま僕は見たところだ。この一冊の写真集のなか…

ジェームズ・ディーンには雨の日が似合う

ジェームズ・ディーンには雨の日が似合う

■ さまざまな本について、再び話を聞きたいですね。あれや、これや、きわめてランダムに。たとえば、写真…

雨が、ぼくにオードリー・フラックの画集を開かせた

雨が、ぼくにオードリー・フラックの画集を開かせた

 窓の外にいま午後がある。その午後は、いっぱいに雨を持っている。梅雨の雨だ。今年は、長くて冷たい梅雨…

マリリン・モンローの唇が、いまも語ること

マリリン・モンローの唇が、いまも語ること

 イーヴ・アーノルドの写真集『マリリン・モンロー』のサブタイトルは、「アン・アプリーシエイション」と…

ひとりの大人として、自分の周囲にあるすべてを、全面的に引き受けることの出来る人

ひとりの大人として、自分の周囲にあるすべてを、全面的に引き受けることの出来る人

 夫婦、家庭、家族の小説が、なおも続く。アメリカには、夫婦と家族についての小説が、じつに多い。範囲を…

マンハッタンの10番通りと14番通り

マンハッタンの10番通りと14番通り

 自分にとっていちばん好きな場所はニューヨーク、特にマンハッタンだ、といつも言っていたアメリカ人の友…

一度だけ読んだハメット

一度だけ読んだハメット

 僕はハメットを一度だけ読んだことがある。短編をひとつ、しかも翻訳された日本語で。それはいまから二十…

アイラ・ウッドの『キチン・マン』はなぜ面白いか

アイラ・ウッドの『キチン・マン』はなぜ面白いか

 アイラ・ウッド『キチン・マン』 ■面白かったほうの本の話をうかがいましょうか*。  たとえば、…

ある日の午後、僕は「本のオールタイム・ベスト10を選んでください」と、電話で頼まれた

ある日の午後、僕は「本のオールタイム・ベスト10を選んでください」と、電話で頼まれた

 僕にとっていつまでも大事な本の一方の極に、シャーウッド・アンダスンの『ワインズバーグ・オハイオ』(…

アメリカの心がうたう歌が聞こえる

アメリカの心がうたう歌が聞こえる

『アーサー・ロススタインによる、写真に写しとられた一九三〇年から一九八〇年までのアメリカ』という一冊…

ホーム・ベースから一塁までの、優雅きわまりないあの距離

ホーム・ベースから一塁までの、優雅きわまりないあの距離

 昔、たとえば1930年代に撮影したアメリカのプロ野球の、オフイシャルなゲーム中の写真ワン・ショット…

フォルクスワーゲンを元気に生かしつづけておくには

フォルクスワーゲンを元気に生かしつづけておくには

『あなたのフォルクスワーゲンを生かしつづけておくにはどうすればいいか』という本が、なつかしい。《どん…

なにげなく読んだ小説のなかに、自分自身を発見する喜びと驚き。なぜこの主人公は自分なのか

なにげなく読んだ小説のなかに、自分自身を発見する喜びと驚き。なぜこの主人公は自分なのか

 僕はついにみつけた。会ったこともないアメリカの人が書いた小説のなかに、僕は自分自身を見つけた。二、…