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パーマの帝国
「パ」と「マ」のふたつの片仮名に、音引きの縦棒「ー」を一本加えて作る「パーマ」という言葉は、まだ充分に現役であるようだ。太平洋戦争が終わるのとほとんど同時に、この言葉が日本じゅうに広がった。戦後の日本でいっせいに始まった…
[エッセイ]  2020年6月16日 07:00
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残りご飯のバター炒めと海苔の佃煮
 一枚の写真が、なんらかのかたちあるいは意味で、物語のなかで重要な役を果たす短編小説をいくつか書き、一冊の本を作ってみたい、といま僕は考えている。物語はみな多様なものになるだろう。どのような物語をどんなふうに構成し、それ…
[エッセイ]  2020年6月5日 07:00
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トンカツと生卵の小説
 一九七五年あるいは七六年。場所は銀座の文壇バーのひとつ。そのバーの名前も場所も、僕は記憶していない。そこへはそのとき一度いったきりだろう。しかも雑誌の担当編集者に誘われ、連れていかれた店だから、よけいになにも覚えていな…
[エッセイ]  2020年5月17日 07:00
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スープはどうなさいますか
 いまの日本のどこへいっても、そこにはスーパーがある。片仮名書きされたスーパーという言葉はもうとっくに日本語で、スーパーを意味する。スーパーとはなにですか、と尋ねられたなら、それはスーパーです、と答えるほかない。字面とそ…
[エッセイ]  2020年5月16日 07:00
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玩具として買うには面白い
 ハーシーの板チョコ、というものがいまでもある。あるどころではない、それこそ日本全国津々浦々のスーパーその他で、常に大量に販売されている。日本にすっかり根を下ろした習慣のようなものになった、と僕は感じる。戦後からの日本の…
[エッセイ]  2020年5月15日 07:00
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ハッピーコートの銀座
 法被あるいは半被と書いてハッピと読む。日本語だ。下級武士が多く着用していたという。その様子はひとつの典型だったのではないか。裾の短い上着だ。胸紐はなく広袖で、ただはおればそれでよかった。  太平洋戦争に大敗した日本がま…
[エッセイ]  2020年4月27日 07:00
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言葉のなかだけにある日本をさまよう
 オールタイム、という日本語を文字どおりに解釈するなら、文庫のオールタイム・ベスト10など、とうてい無理だ。勝手に戦後だけに限定しても、戦後の日本で出版された文庫のすべてを所有していて、そのほとんどについてよく知っていな…
[エッセイ]  2020年3月12日 06:28
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日本人なら誰もが知っているあの曲は、海を越えてカバーされていた
なぜか聴くと長方形をイメージする曲 「荒城の月」という歌のオリジナル、つまり後年に山田耕筰が編曲したのではないほうは、Bマイナーの八小節で、僕はこのメロディからおなじかたちの長方形ふたつを想像する。子供の頃からそうだ。初…
[エッセイ]  2018年11月9日 00:00
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ジープが来た日
この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──遠近法のなかへ」 に収録されたものです。  猛暑、と新聞もTVも呼んだ日の夕方、ふと入った書店の棚に、『ジープ 太平洋の旅』(ホビージャパン)という本を僕は見つけた。その…
[エッセイ]  2018年7月13日 00:00
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姿を隠したままの存在に気づこう
〈書評〉朝日新聞出版編『復刻アサヒグラフ昭和二十年  日本の一番長い年』  とっくに姿を消していまはもうない『アサヒグラフ』は、1923年、大正12年に、驚くべきことに無休の日刊タブロイドとして、創刊された。多くの写真に…
[エッセイ]  2018年5月23日 00:00
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塩田も遊園地も…絶滅の景色が浮かぶ
〈書評〉今尾恵介著『地図で読む昭和の日本』  明治時代の終わり近くに整備が進み、平成に入っても続いていた日本国家の営みのひとつに、国土地理院が発行している一万分の一縮尺の地形図がある。地形はもちろんそこに記録されているが…
[エッセイ]  2018年4月16日 00:00
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父親と息子のハードボイルド人生
 スティーヴン・ハンターのペイパーバックが八冊、今回の写真のなかにある。アール・スワガーという男性と、その息子であるボブ・リー・スワガーを主人公にした、時間軸と物語が父と息子の二代にわたる、たいそうラギッドにハードボイル…
[エッセイ]  2018年3月23日 00:00
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